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GameDesign 西部劇TRPG開発日誌

[TRPG]非フレームワーク・サブルーチン系確率考察

 閑話休題。

 フレームワークがなくて、サブルーチンしかないデザインの単純系とはこういうこと。独立試行になる。

 「たとえば、十日間の行程で、一日当たり、1/6の確率でワンダリングモンスターに遭遇すると仮定する。」

 モンスターに何回遭遇するかを考えてみる。

 分かりやすく書くと、6面体サイコロを順番に10個振り、1が出る確率が高いのはいつかということ。これはよくあるシナリオデザインのミスで、一日目が最も高い。1回目が1/6、2回目は5/6*1/6だから。

 まず、すくなくとも一回でもモンスターに遭遇する可能性は(1-((5/6))^10)*100=83.8494%。
 遭遇しない可能性のほうは、100-83.8494=16.1506%。

独立試行の定理
1回の試行で事象Aの起こる確率がpのとき、n回の試行中r回起こる確率は
nCr*p^r*(1-p)^(n-r)

0 16.150558289 %
1 32.301116578 %
2 29.071004920 %
3 15.504535957 %
4 5.426587585 %
5 1.302381020 %
6 0.217063503 %
7 0.024807258 %
8 0.001860544 %
9 0.000082691 %
10 0.000001654 %

 錯覚を起こしやすいのは10*(1/6)=1.666666667回が最も多いと考える理屈。

 実際は、最も多いのは1回。
 次が、2回、0回(!)、3回、4回、5回、6回の順で、それ以上はかなり低い。

 だから、「たとえば、十日間の行程で、一日当たり、1/6の確率でワンダリングモンスターに遭遇すると仮定する。」というのは、ワンダリングモンスターに遭遇するゲームとしてデザイン的におかしい。ここで、リアリティがないと感じるのは、サブルーチンだけで構成されているからです。


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