[SYS]コンドルセのパラドックス
多数決では解決しないということは、ゲームデザインでは重大な問題だと思います。アゴン(競争)のゲームでは、いろいろな問題に適用されるでしょう。
コンドルセのパラドックス
人類はこれまで統治形態に関して豊富な経験を積んでいた。集団の意志決定のためにも数多くの方式が考えられる。 |
1781年、ボルダ勲功爵がフランス科学アカデミーの会員を選挙するために提案したボルダ方式は、各投票者が全ての候補者に、よいと思う順に順位を付け、それぞれの候補者について、ついた順位を全て足し合わす。
候補者3人、A、B、Cがいたとして、Aを一位に付けた人が10人、二位に付けた人が15人、三位に付けた人が20人とすると、A候補は、1×10+2×15+3×20=100点で、結果合計点が最も少ない候補者が選挙に勝つ。
この方法の難点は二人の候補者A、Bがいて、投票者が40人で、うち、25人がBを支持しているとする。
このとき全員に支持されていない、全く話にならない候補者Cを擁立すると操作できる。
Bの支持者はCを三位にすると考えると、Aの支持者は、ただBに勝ちたいだけで、Cを二位に付ける。
すると、A候補は、Aを一位にした人は15人、二位にした人は25人、ボルダ方式では15+50=65点になる。Bは、一位にした人が25人、三位にした人が15人なので、25+45=70点になる。これではAが選ばれてしまう。
もっとも重要な研究がアローの不可能性定理です。
ゲーム、とくにTRPGは、安易に多数決で解決しようとしますが、それにコミットすることは既に、結果に合意していることになります。
数学は最善世界の夢を見るか? : 最小作用の原理から最適化理論へ
イーヴァル・エクランド [著] ; 南條郁子 訳
モーペルテュイが「神の叡智」と信じた最小作用の原理から、解析力学の発展、シンプレクティック幾何へと至る、めくるめく探求の物語。
「BOOKデータベース」より
[目次]
- 第1章 時を刻む
- 第2章 近代科学の誕生
- 第3章 最小作用の原理
- 第4章 計算から幾何へ
- 第5章 ポアンカレとその向こう
- 第6章 パンドラの箱
- 第7章 最善者が勝つのか?
- 第8章 自然の終焉
- 第9章 共通善
- 第10章 個人的な結論
「BOOKデータベース」より
