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 「人物関係シナリオから」という記事の続編です。

 記事にはシナリオ作成の限界はどこまでかを書いてあるだけです。きちんとそう書いてますしその列挙をしています。

 論理的思考や学問に疎いとかで、僕が突然3すくみの関係を用いようと言い出しておかしいと感じる方がいるようです。そういう方は読まないでください。

 調べると、心理学・社会学では3すくみの状態をいろいろ考察されています。典型的なのは、[T.M.ニューカムのA-B-XモデルとF.ハイダーのP-O-Xモデル]であらわされるように、3すくみを単純化して、考えることです。

#引用開始#
ABXモデル(ABX-model) ニューカムの提唱した認知的バランス理論の仮説モデル。ハイダーのPOXモデルに近いが、個人A,Bと、対象Xとの三者関係が不均衡状態にある場合、AB間にコミュニケーションによる相互作用が生じて均衡化に向かうとする点で、Pの認知構造の変化だけを問題にしたハイダーのモデルと異なっている。(社会学小辞典:有斐閣双書)
#引用ここまで#

#引用開始#
POXモデル(POX-model)ハイダーの提唱した認知的バランス理論の仮説モデル。ある人(P)が他のある人(O)を好意的に認知している場合、Pが好んでいる対象(X)をOも好んでいれば、三者(POX)関係は均衡状態にあるが、OがXを嫌っていたとするとPOXは不均衡状態になり、均衡化への動きがPの認知のなかに生じるといった風に、認知を均衡という観点から考察したモデル。(社会学小辞典:有斐閣双書)
#引用ここまで#


 さらに三すくみの状態とは違い、三つの選好順序の選択となると、アローの不可能性定理があります。こちらは経済学です。

#引用開始#
二人の個人1および2が三つの選択肢x,yおよびzだけから構成される最も単純な社会を考察してみればよい。(中略以下のα~ζは取り得る選好順序)
α:x,y,z β:xzy γ:yxz δ:yzx ε:zxy ζ:zyx

アローが社会厚生関数――最近の彼好みの用語法では社会構成関数――と呼ぶものは、個人の選好順序のプロファイルを一意的な社会的選好順序に移す関数である。これは個人の選好順序のプロファイルを社会的選好順序に集計するためのプロセスないしルールを表現する関数であると考えられる。別の表現をすれば、社会厚生関数はカルテシアン積Δ×Δで定義され、Δで値をとる写像である。ここでΔ={α,β,γ,δ,ε,ζ}である。したがって、我々が考察する最も単純な社会でさえ6の36乗個のアローの意味での社会厚生関数が存在していることになる。これは天文学的に巨大な数であって、およそ10の28乗に等しい。(社会的選択と厚生経済学ハンドブック)
#引用ここまで#



 よく意志決定がゲームであると書かれてありますが、もしTRPGのように多人数で社会的決定を行なうとすると、多数決上の(数学的な意味での)独裁者問題が発生します。
 討論主義できめようとすると、声の大きいプレイヤーがPC全員の意志を代表し、(数学的な意味での)独裁者になるのです。


 多様な選択肢からPvPを行なうならば、意志決定は反映されるでしょう。

 また、ストーリー的なシナリオに沿ったPC協力型のTRPGは、ゲームとしてどうなのかというと、さんざん述べているとおり面白いシークエンスを求めようという挑戦です。これもまた全員がコミットしていれば、パレート均衡(全員の一致)により意志決定は反映されるでしょう。

 考えることを三つに絞ろうというのは、もう一つ、心理学上、人間が立てられる仮説は3~4個までだからです。GMもPLも人間ですから限界があり、その限界以上のシナリオは作るべきではないということです。
 ただしイベント発生ごとに段階を踏んでいく方法ならこの問題は解決できます。戦闘システムがそうです。
 単純に3つの選好選択に絞ったとしてもアローの不可能性定理から、処理側のGMを含むかもしれない2人以上のプレイヤーで、きめ方の多様性は天文学的な数だけ担保されます。
 たったの3つで2人にとっては、自由という観念では自由が成立すると言って良いでしょう。もし、自由ではないというなら何通りあれば自由と言えるでしょう。


 シナリオ作成の限界には、GMとPLの関係性もあります。コンベンションのマスターでモビルスーツの出ない塹壕戦をするガンダムでは困りますが、ナカマ内では面白ければありになる場合もあります。

 そのナカマ内のもめ事の処理もまたシナリオ作成の限界です。


 「人物関係シナリオから」は

 シナリオ作成の限界はどこまでかを

 書いてあるだけです。


 そして可能なことはPLが楽しいことなら、

 やってみましょうというノウハウです。




「きめ方」の論理にはゲーム理論の展開ものせられています。高校生から分かるアローの不可能性定理は非常に参考になりました。




アローの不可能性定理 = Arrow's Impossibility Theorem : 枠組みの検討と応用可能性

松本保美 著

アローの不可能性定理の理論的枠組みの解説および解釈を基に、伝統的な枠組みをより現実的かつ一般的にする新しい考え方を提示する。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 第1章 多数決と民主的意思決定
  • 第2章 選択関数とその性質
  • 第3章 アローの不可能性定理
  • 第4章 プロファイル付き集合値選択関数を用いたアロー型不可能性定理
  • 第5章 基底関係的集団的選択
  • 第6章 κ‐集合前提の集団的選択
  • 第7章 顕示選好的集団的選択
  • 第8章 アローの不可能性定理と非合理的個人選好
  • 第9章 アロー問題の意味
  • 第10章 個人選好の基準-西欧対日本
  • 第11章 非論理的個人選好と集団的選択
  • 第12章 多次元集団的選択理論

「BOOKデータベース」より


社会的選択理論 : 集団の意思決定と個人の判断の分析枠組み

ジョン・クラーヴェン 著 ; 富山慶典, 金井雅之 訳

政治学や経済学、哲学・倫理学の中に、アローの定理にはじまる社会的選択理論の居場所を与える。選挙制度や経済政策の決定手続き、権利や正義の道徳的判断など、主要トピックスを幅広く簡潔にまとめた入門書。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 第1章 序論
  • 第2章 選好と選択
  • 第3章 Arrowの定理
  • 第4章 集合的合理性
  • 第5章 選択ルールの戦略的操作
  • 第6章 多数決投票を救出すること
  • 第7章 権利
  • 第8章 正義
  • 第9章 功利主義的判断

「BOOKデータベース」より

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