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「人物関係シナリオから」という記事の続編です。
記事にはシナリオ作成の限界はどこまでかを書いてあるだけです。きちんとそう書いてますしその列挙をしています。
論理的思考や学問に疎いとかで、僕が突然3すくみの関係を用いようと言い出しておかしいと感じる方がいるようです。そういう方は読まないでください。
調べると、心理学・社会学では3すくみの状態をいろいろ考察されています。典型的なのは、[T.M.ニューカムのA-B-XモデルとF.ハイダーのP-O-Xモデル]であらわされるように、3すくみを単純化して、考えることです。
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さらに三すくみの状態とは違い、三つの選好順序の選択となると、アローの不可能性定理があります。こちらは経済学です。
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よく意志決定がゲームであると書かれてありますが、もしTRPGのように多人数で社会的決定を行なうとすると、多数決上の(数学的な意味での)独裁者問題が発生します。
討論主義できめようとすると、声の大きいプレイヤーがPC全員の意志を代表し、(数学的な意味での)独裁者になるのです。
多様な選択肢からPvPを行なうならば、意志決定は反映されるでしょう。
また、ストーリー的なシナリオに沿ったPC協力型のTRPGは、ゲームとしてどうなのかというと、さんざん述べているとおり面白いシークエンスを求めようという挑戦です。これもまた全員がコミットしていれば、パレート均衡(全員の一致)により意志決定は反映されるでしょう。
考えることを三つに絞ろうというのは、もう一つ、心理学上、人間が立てられる仮説は3~4個までだからです。GMもPLも人間ですから限界があり、その限界以上のシナリオは作るべきではないということです。
ただしイベント発生ごとに段階を踏んでいく方法ならこの問題は解決できます。戦闘システムがそうです。
単純に3つの選好選択に絞ったとしてもアローの不可能性定理から、処理側のGMを含むかもしれない2人以上のプレイヤーで、きめ方の多様性は天文学的な数だけ担保されます。
たったの3つで2人にとっては、自由という観念では自由が成立すると言って良いでしょう。もし、自由ではないというなら何通りあれば自由と言えるでしょう。
シナリオ作成の限界には、GMとPLの関係性もあります。コンベンションのマスターでモビルスーツの出ない塹壕戦をするガンダムでは困りますが、ナカマ内では面白ければありになる場合もあります。
そのナカマ内のもめ事の処理もまたシナリオ作成の限界です。
「人物関係シナリオから」は
シナリオ作成の限界はどこまでかを
書いてあるだけです。
そして可能なことはPLが楽しいことなら、
やってみましょうというノウハウです。
「きめ方」の論理にはゲーム理論の展開ものせられています。高校生から分かるアローの不可能性定理は非常に参考になりました。
松本保美 著
アローの不可能性定理の理論的枠組みの解説および解釈を基に、伝統的な枠組みをより現実的かつ一般的にする新しい考え方を提示する。
「BOOKデータベース」より
[目次]
「BOOKデータベース」より
ジョン・クラーヴェン 著 ; 富山慶典, 金井雅之 訳
政治学や経済学、哲学・倫理学の中に、アローの定理にはじまる社会的選択理論の居場所を与える。選挙制度や経済政策の決定手続き、権利や正義の道徳的判断など、主要トピックスを幅広く簡潔にまとめた入門書。
「BOOKデータベース」より
[目次]
「BOOKデータベース」より