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大塚英志先生のストーリーメーカーを拝読させていただきました。非常にわかりやすくプロップの考え方を解説されています。
大塚英志 著
あなたが漠然と抱えているストーリーの種は、どうすれば作品として結実させることができるのか?神話や民話の構造分析から導き出された物語論を概観し、30の質問に回答していくことで物語のプロットを作成する。ベストセラー『キャラクター小説の作り方』『物語の体操』をさらに発展させた、超実用的創作入門。
「BOOKデータベース」より
[目次]
「BOOKデータベース」より
G.ロダーリのものは過去記事のここで触れています。Grammatica della fantasia. Introduzione all'arte inventare storie, (『ファンタジーの文法』窪田富男訳、筑摩書房)は、1973年に発表されています。ジョーゼフ・キャンベルはThe Hero with a Thousand Faces(千の顔を持つ英雄)を1949年に出版、C.ボグラーは、G.ロダーリの著書を参照したかどうかはわかりません。
G.ロダーリの方が一歩早く、創作や教育に応用することを試み、C.ボグラーは、スター・ウォーズ以降ですから1977年以降での展開でしょう。
この著書の中でウラジミール・プロップの物語の構造を機能ではなく心理学においた構造に対応させる表があるのですが、僕が考える構造では以下のように対応すると思います。
ウラジミール・ |
レッジョ・エミーリアでの |
ヒーローズ・ジャーニー |
千の顔を持つ英雄 |
(1)留守(不在) |
|||
(2)禁止 |
(1)禁止 |
||
(3)違反 |
(2)違反 |
||
(4)捜索(情報の要求) |
|||
(5)密告(情報入手) |
|||
(6)謀略・策略 |
|||
(7)黙認・幇助 |
|||
(8)加害(もしくは欠如) |
(3)加害 |
(1)日常の世界 |
|
(9)調停・派遣 |
(2)冒険への誘い |
(1)「出立」 |
|
(10)主人公の同意・ |
(3)冒険への |
(2)召命の辞退 |
|
(11)主人公の出発 |
(4)主人公の出発 |
||
(5)任務 |
|||
(6)魔法の授与者 |
(4)賢者との |
||
(12)魔法の授与者に |
|||
(13)主人公の反応 |
(5)第一関門突破 |
||
(14)魔法の手段の |
|||
(7)魔法の贈り物 |
(6)仲間・敵対者/テスト |
(3)超自然的 |
|
(15)主人公の移動 |
(7)最も危険な |
(4)最初の境界の越境 |
|
(5)鯨の胎内 |
|||
(8)敵対者の出現 |
(7')複雑化 |
(6)「イニシエーション」 |
|
(7)女神との遭遇 |
|||
(9)敵対者の悪魔的能力 |
(8)誘惑者としての |
||
(16)主人公と敵対者 |
(8)最大の試練 |
(9)父親との一体化 |
|
(17)狙われる |
(10)決闘 |
(10)神格化 |
|
(18)敵対者に対する勝利 |
(11)勝利 |
||
(19)発端の不幸 |
(9)報酬 |
(11)終局の報酬 |
|
(20)主人公の帰還・帰路 |
(12)帰還 |
(10)帰路 |
(12)「帰還」 |
(21)追跡される主人公 |
(13)呪的逃走 |
||
(22)主人公の救出・脱出 |
(14)外界からの救出 |
||
(23)主人公が身分を |
(13)家への到着 |
(15)帰路境界の越境 |
|
(24)にせ主人公の |
(14)ニセの主人公 |
(16)二つの世界の |
|
(25)主人公に難題が |
|||
(26)難題の実行(解決) |
(15)困難な試練 |
11.再生 |
(17)生きる自由 |
(16)損害の償い |
|||
(27)主人公が再確認・ |
(17)主人公であることの |
||
(28)にせ主人公 |
(18)仮面をはがされた |
||
(29)主人公の新たな変身 |
|||
(30)敵対者の処罰 |
(19)敵対者の処罰 |
||
(31)主人公の結婚 |
(20)結婚 |
12.帰還 |
ウラジミール・プロップの機能(ファンクション)カード
原則1 民話の恒常的で不変の要素は登場人物たちの機能である。この場合それぞれの機能がどんな人物によって、あるいはどんな方法によって為されるか、ということとは関係がない。 |
原則2 魔法民話の中に出てくる機能の数には限度がある。 |
原則3 機能の継起順序は常に同一である。 |
すべての民話にすべての機能があらわれるわけではなく、筋運びで省略、併合、統合がされる。はじまりの機能は途中からという場合もある。抜かした経過を取り戻すために後戻りすることがある。機能にはその反対の場合を含むこともある。 |
この原則を、平易な理解を助ける解説中に挿入されてありますが、明確に掲げていないので、ちょっと混乱される方がいると思います。
日常・非日常の往来を論じていますが、「らきすた」や「じょしらく」のような日常とは言えないような非日常の中での完結もあります。「まどか☆マギカ」のようなイニシエーションによって非日常(世界・宇宙)へ旅立ったまま完結するものもあります。「翠星のガルガンティア」のように非日常(戦い)が日常へ完結するものもあります。日常・非日常の概念によるレッテルは、ちょっとコミットできないと僕は思いました。
西部劇も他のどんな物語にもプロップの構造があるということには、僕は哲学科の学生の頃から説得されてきました。TRPGへの応用は、90年から知らせてきました。ナラティブ理解の参考資料としては、全く関係がないかな、と、思いました。
もう一つ、ロシア構成主義と喧伝していることが全く理解できませんでした。一般的にはソシュールの影響下の構造主義の先駆として捉えます。美学論として展開するならば、そのセオリーも関係するかも知れませんが、独特の位置づけで困惑しました。こういった手引き書にポリティカルなメッセージ(スターリン批判)を盛り込むのはおかしいと思います。
ボグラー クリストファー<Voglar Christopher>;講元 美香【訳】;岡田 勲【監訳】
シナリオ・テクニックの世界的なベストセラー!「ライターズ・ジャーニー」日本語版。本書は心理学の巨匠カール・G・ユングと「ヒーローズ・ジャーニー」のジョーゼフ・キャンベルの深遠なるコンセプトを発展させた人生という旅のガイドブックでもある。
「BOOKデータベース」より
[目次]
「BOOKデータベース」より
ジョゼフ・キャンベル 著 ; 平田武靖, 浅輪幸夫 監訳
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「BOOKデータベース」より
ジョゼフ・キャンベル 著 ; 平田武靖, 浅輪幸夫 監訳
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