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GameDesign 西部劇TRPG開発日誌

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[つれづれ]明けましておめでとうございます。西部の広さ。


 明けましておめでとうございます。

  西部の広さを示してみました。意外な感じ。

 True Size Of




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[つれづれ]共有地(コモンズ)の悲劇の主張の失敗例

https://kotobank.jp/word/%E5%85%B1%E6%9C%89%E5%9C%B0%E3%81%AE%E6%82%B2%E5%8A%87-1125495 より。 

・(例) 
ある共有の牧草地があり、5人の村人がそれぞれ20頭ずつ羊を飼っている。ここには羊100頭分の牧草しかなく、それが守られていれば、村人みんなが牧草地の恩恵に預かれる。また、この羊は1頭100万円で取引され、羊が1頭この牧草地に増えることにより餌となる牧草が減り、栄養不足のため99万円で取引される。以後、1頭増える度に、1万円ずつ取引価格は下がっていく。(初期の村人一人の取引高は2000万円) 
合理的な村人は、自分の効用(利益)を最大限に高めたいと考える。村人にとって、羊を減らしたり、現状数を維持するより、増やしたほうが自分にメリットがあると考える。そこで村人Aはもう1頭羊を放牧した。結果、村人Aは2079万円の利益を得た(羊21頭×99万円)。他4人の村人は、1980万円と取引高が減った(羊20頭×99万円)。 
それを見た周りの村人も自分の効用を最大限に高めたいという合理的な考えの下、それぞれが自由に羊を共有地に放し始めた。結果として、牧草地が荒れ果て誰にとっても使えないものになってしまった。 
加えて、自由に放牧した場合の総利益は最適に管理された状況での総利益よりも少なくなってしまう。例えば、5人全員が1頭ずつ羊を増やした場合、一人当たり1995万円(羊21頭×95万円)となり、適正に管理をしていたときに受け取れる利益2000万円(羊20頭×100万円)より少なくなってしまう。 
また、全体の利益を考えても、最適な管理下での総利益は1億円(羊20頭×100万円×5人)であったはずが、自由な放牧下では、9975万円(羊21頭×95万円×5人)と、こちらも減少する。 
・周りと協力すれば誰にとってもいい結果であったものが、自らの利益追求図ろうとしたため、最終的には誰にとっても悪い結果になってしまうことを意味している。 

ちょっと考えるとこの例は破綻してるでしょう。

例で言うのならば、共有の牧草地を半分の50頭分の羊のために柵を設けるとどうだろうか。
5人の農家がそれぞれ20頭の半分、10頭についてだけ放牧して良い区画を設けるとしよう。
村人全体の売上の5000万円(一人の農家1000万円)は担保されることになる。残りの10頭他を合わせた増加分の方は上の例で言うならば、同様に損害を受ける。
しかし、損害の減少はない。一人の農家が柵外に11頭の場合、1045万円(11頭×95万円)であり、合計で2045万円得られる。全体の利益を考えると2045万円×5)1億と225万円となる。
栄養不足の羊を得た方が全員の利益を高める。単なる最適化の問題になってしまっていて、主張にはそぐわない例であろう。

この反論が出ててしまうのは、例に不備があるからであろう。農家一人19頭を柵の中の牧草地に管理し、1頭以上を柵外に放つとする。これを各2頭とすると、本来5頭に割り当てられた牧草地は10頭に割り当てられることになる。栄養不足による減益はもっと大きな被害になるはずである。
単純な加算減算で説明するのではなく、1頭あたりの必要面積から、栄養不足の減益を算定しなければならない。

そうであれば、50頭の牧草地の柵外の55頭の被害はそれぞれ10万円で、990万円(11頭×90万円)だろう。ある農家が抜け駆けするならその羊を殺すという脅迫戦略が有効なチキンゲームに他ならない。

これでは協力ゲームの理論ではなく普通のゲーム理論で説明できるはずであり、ナッシュの考え方(ナッシュプログラム)ですむ。協力の本質を何も捕らえていないのではないか。

[つれづれ]スタンフォード監獄実験

フランケンシュタインの誘惑「人が悪魔に変わる時 史上最悪の心理学実験」 - NHK

見逃し配信

8月25日木曜 NHKBSプレミアム 午後5時00分~ 午後6時00分(再放送)

Wiki スタンフォード監獄実験

 TRPGにはこうした面が幾分ある気がします。
 こうした状況のバイアスがかからないでいられるのは、GMという司会役がいて、ストーリーが進行する仕組みがロールプレイと組み合わさっているからでしょう。
 ロールプレイ(役割演技)がストーリー展開と無関係であるような場合、こうした現象が起きるのではないでしょうか。GMがストーリー展開を無計画にしてPL(PC)を自由にさせた場合、実はより正気のPLが看守役や囚人役のままでいられるでしょう。
 ですからストーリー展開は興味を引くように準備しなくてはならないのです。ストーリー展開によって状況を変えなければ、PL自身の個性の要点を発揮できず、役割に平凡に埋没していくと思います。

 例えばリエナクト(リイナクトメント)サバゲで、個性が埋没するのはこうした状況のバイアスがかかるのに近いからでは? と思っています。普通、サバゲはご親切に主人公扱いはしてくれませんから。小芝居を入れたりして愉しむようなことをしないと面白くないでしょう。


 ミミクリとしての遊戯ではこうした力、状況のバイアスがかかるのは、真面目な取り組みとして排するような要素ではないと思います。TRPGではこの状況のバイアスをストーリーの符丁として利用するから成立するのだと思います。
 番組によるとグアンタナモ基地強制収容刑務所での虐待などに心理学の軍事利用を行っていたことを公式に米心理学会が認めたそうです。カイヨワ的にミミクリの堕落したパイディアと捉えることも出来ると思います。

 ロールプレイ=役割分担の考え方は、状況のバイアスで立ち位置を楽に保証してくれて個性を埋没させることができる。悪いことではありませんが、突き詰めればその原理はこうしたものでしょう。



『エス』 (原題:Das Experiment、国際向け題:The Experiment)


映画『エクスペリメント』予告編


[つれづれ]「医療の歴史」

 西部劇ドラマではかなりの人気作の「ドクター・クイン大西部の女医物語」をはじめ、「ヤングラーダーズ」には、肉の食中毒のエピソードがあります。

 西部劇映画には、「新・明日に向かって撃て!」でジフテリアのワクチンを届けるエピソードがあります。
 史実としては天然痘患者の使っていた毛布を与える話が残っています。

 この本には、かなりあやふやだった医療技術の発展が多数のビジュアルと共に記されています。
 時代物にはかなり参考になる書籍です。



医療の歴史

スティーブ・パーカー 著 ; 千葉喜久枝 訳

太古から頭蓋骨に穴を開ける外科手術を敢行し、いまやiPS細胞によるバイオ医療を実現した人類の、傷病死との終わりなき闘い-。多彩な図版と年表で紐解く"書斎の世界史"。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 信仰と伝統-900年まで(先史時代の医術

  • 穿孔開頭術(図説) ほか)

  • 科学的な医術の幕開け-900‐1820年(アル・ラーズィー、イブン・スィーナー、アラブの復興

  • 四体液(図説) ほか)

  • 工業が発展した時代の医学-1820‐1920年(女性医師

  • 麻酔法 ほか)

  • 近代の医学-1920‐2000年(血液型と糖尿病

  • 輸血(図説) ほか)

  • 遺伝子と将来の夢-2000年以降(遺伝学と医療

  • 遺伝暗号(図説) ほか)

「BOOKデータベース」より




[つれづれ]サイコロでシャッフルしてしまう方法


 サイコロで完全にランダムなシャッフルをしてしまう方法です。
 フィッシャー =イェーツ・シャッフルというアルゴリズムがあります。確率的に正しい、そして計算量が最小の手順です。
 ちょっと前に大変話題になりました。

 アナログゲームでは用はないかも知れませんが、多面体のサイコロでシャッフルしてしまう方法です。

 フィッシャー =イェーツ・シャッフルのWikiはこちら
 このうちのダステンフェルドの手法のアルゴリズムのイメージは、こちらで目視できます。目視できるのは非常に参考になります。

 サイコロで行う場合、単純に、
 12面体、10面体、8面体、6面体、4面体サイコロを用いて、6までの数をシャッフルするものとします。

 考え方としては、まず、6の階乗、6×5×4×3×2×1=720通りの順列がある。
 12面体、10面体、8面体、6面体、4面体サイコロを振り、それぞれの出目を1/2(切り上げ)とすると、6、5、4、3、2通りとして、720通りの乱数を得られる。
 サイコロの種類からすると、6までの数をシャッフルするのならば、振り直しなしで、一度に12面体、10面体、8面体、6面体、4面体サイコロを振ると順列を得られると言えます。

 振り直しなしなら、6までのシャッフルが限界です。7通りの乱数が出せません。カードがなくてカード的処理が必要になったとき、いざという手として載せておきます。

 カードは完全にシャッフルするのは難しいですが、かなり素早く順列を得られる、いい乱数発生器です。

[つれづれ]一様乱数から正規乱数へ。xlsxファイル

  [つれづれ]正規乱数

 ボックス=ミュラー法とモンテカルロ法のxlsxファイルです。
 アナログゲームには利用が難しいと思います。
 どちらの方法もとらず、現在のデザインは「どどんとふ」でテストプレイできるように工夫してデザインしてあります。なにかの参考になれば。

 ダウンロード xlsxファイル、関数とヒストグラム
 
 下のリンクのように
 エクセル内蔵の関数を使う方法(NORMINVやNORMSINV)は

 エクセルだけでしか通用しないので、
 上のファイルはプログラミングコードの参考になると思います。

 正規乱数・正規分布する乱数を発生させる−NORMINV関数・RAND関数_Excel(エクセル)の関数・数式の使い方-数学

 プログラミング言語によってエクセルとは数学関数の意味が違いますので注意してください。

 ボックス=ミュラー法のwikiです。


[つれづれ]達成値の比較ルールの確率

 達成値の比較ルールの確率の考察です。
 単純な話にするためにファイティング・ファンタジーの技術点+2D6のような、
 能力値+2D6を考えます。

 一方が12、もう一方が8の能力値で、互いに2D6して、達成値が高い方の成功とします。
 つまり、8の能力値側は2D6で5ポイント差を付ければいいのです。
 同値の出目の場合、能力値12の高い方の勝利とします。

 数え上げてみます。

ダウンロードPDF

 8の能力値側が、勝つ確率は9.722%です。
 12の能力値側が、勝つ確率は90.278%です。


達成値差成功率グラフ


2D6でのグラフ


達成値差 成功率%
11 100
10 99.9
9 99.6
8 98.8
7 97.3
6 94.6
5 90.3
4 84.1
3 76.1
2 66.4
1 55.6
0 44.4
-1 33.6
-2 23.9
-3 15.9
-4 9.7
-5 5.4
-6 2.7
-7 1.2
-8 0.4
-9 0.1
-10 0

 微妙な能力差は大きく運に反映されるが、差がつきすぎると大して変わらない確率デザインです。

xlsxファイルダウンロード

 こういう系列のデザインは、僕にとって体感確率が狂っているので非常にげんなりします。
 ロールの回数が一回増える場合、誇張が激しくなります。
 能力値が拮抗していれば拮抗した結果になるはずでしょう。何故運で大差がつくのでしょうか。
 失敗率を考えると、1ポイントあたりの比が大きすぎるかと思います。

 私たち人間は色々な試行錯誤の行動で実際に成否を問うギャンブルをしています。
 ですから普段、正規分布に近い確率分布を体験しています。

 ところが、こうしたTRPGのモデルはリニアになっているか、それに近い。
 ですので、ダイスの女神の出現度が高いのだと思います。意外な結果が起こったり、連続するのはそのためです。

 これで「異世界体験シミュレータ」はありえません。
 ポアソン分布に従うような事象(火事とか)にPCはよく遭遇します。
 物語の主人公達であるからこそ、遭遇する事象がたくさんあります。

 架空と現実の違いも分からないで、「異世界シミュレータ」などというわりに、役割演技(ロールプレイ)をキャラクタープレイなどと蔑む。
 普通に、気持ち悪く見えるロールプレイは控えてくださいと言えないのでしょうか。

 演技を勉強するわけではない、単なるゲームでの演技ですよ。
 木戸銭が取れるほど演技に打ち込むのは芸術活動であって、ゲームで披露されるものではありません。


[つれづれ]能動・受動の判定、デザイン上の失敗


 個人的メモです。一応、バランス的によくありがちな失敗(かな?)デザインです。
 問題を単純化しておきます。

 例えば、能動側が、50%の確率で、成功し、
 受動側も、50%の確率で、成功するとします。

 そして、能動側が成功しても、受動側が成功したら、能動側は失敗するとします。

能動側・受動側共に成功率50%の場合
能動側 受動側 能動側の判定結果
成功 失敗 成功 25%
成功 成功 失敗 75%
失敗 成功
失敗 失敗


 単純なんですが、やたら能動側が不利になるデザインです。失敗率が跳ね上がります。
 50:75 で、1.5倍です。

 これがもし、

能動側 80%・受動側 20%成功率の場合
能動側 受動側 能動側の判定結果
成功 失敗 成功 64%
成功 成功 失敗 36%
失敗 成功
失敗 失敗


 というケースでは、成功率だけ見ると、デザイン上ありかも、の想定になります。
 ですが、失敗率の跳ね上がり方は大きいです。
 20:36 で、1.8倍です。
 受動側が弱いので、影響も弱い方がいいと思いますが、先の例より大きく出てしまいます。

 計算上、80%の判定を二回していることになります。
 (4/5)×(4/5)=16/25、64%。
 混乱するなら数え上げてしまいましょう。 

能動側80%・受動側20%成功率の場合
能動側 受動側 能動側の判定結果
1 1 成功
1 2 成功
1 3 成功
1 4 成功
1 5 失敗
2 1 成功
2 2 成功
2 3 成功
2 4 成功
2 5 失敗
3 1 成功
3 2 成功
3 3 成功
3 4 成功
3 5 失敗
4 1 成功
4 2 成功
4 3 成功
4 4 成功
4 5 失敗
5 1 失敗
5 2 失敗
5 3 失敗
5 4 失敗
5 5 失敗
成功16(失敗9)/全体25


 このルールだと能動側が過小評価されているか、受動側が過大評価されているか、そのどちらもなのか、首をひねってしまいました。
 失敗率の比の大きさで考えるというのは、こちらの記事を参考にしました。


「不思議のダンジョン」の絶妙なゲームバランスは、たった一枚のエクセルから生み出されている!? スパイク・チュンソフト中村光一氏と長畑成一郎氏が語るゲームの「編集」 _ 電ファミニコゲーマー企画記事

 裏を返せば、逆転のチャンスの余地を大きくとるデザインと言えます。

 同じような要領で、(99/100)×(99/100)=9801/10000=0.9801、98.01%(失敗率1.99%)
 1:1.99で、失敗率は2倍近くの比になります。
 計算が楽な値で思考実験しました。
 個人的メモでした。以上。