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GameDesign 西部劇TRPG開発日誌

[SYS]メタゲーム論01

 高校生の頃、部活動で様々なアイデアを試す機会に恵まれました。

 ここでは、メタゲーム論は、実験に基づいたTRPG上でのゲーム空間におけるゲームを対象にします。
 TRPGをやっている最中にPLキャラクターとNPCがポーカーをするというシーンを実験したものが出発点です。テオリア(理論)の意味上で出現するメタゲーム論とは違って、プラクシス(実践)の次元上で出現するメタゲームを指します。

 GMは無限のリソースを持っています。戦力・兵力に我々は眼が行きがちですが、財力もまた、無限です。

 「無限兵力」という言葉の他に「無限財力」とでも、呼びましょう。

T&Tでの実例:無限財力のメタゲーム

 ポーカー勝負に参加したキャラクターは、あまりにも少ない所持金からか、必ず、青天井のレイズではおります。かなりいい手が揃わない限り、勝負をおります。

 GMの意図は、PCに所持金を渡したいのです。あなたの装備では死ぬのが目に見えている。所持金の余裕を作るより、もっと装備にお金を使ってしまいなさいというものです。
 だいたい、ダンジョンで一攫千金を求めるはずなのに、ローコストではみんなに迷惑がかかるでしょう。死んだあとは本人もつまらないと思うからです。

 本来、GMにとってはお金をつかませるためのイベントでした。

 トロールの言葉、ケン・セント・アンドレの言葉に従い、幸運度や器用度のセービングスローも加えました。

 それでも、勝負から降りるのです。
 PLはGMに勝てないと思うのは、無限財力を持っていないことが原因です。ここには、TRPGのコミュニケーション上の信頼関係が関係します。GM(僕)は信頼されていなかったのです。
 お金を貯めると勝ちという、モノポリーのようなゲームとの区別がつかなかったわけではないのです。これは他の方がやっても同じ結果になると思います。

 PLを楽しませることを第一に考えていても、PL経験が当時はかなり少なく、PLの立場を理解していなかったのです。

 無限財力も無限兵力もあるGMと、PLはTRPGにおいては、別のゲームをしていると考えなければなりません。無限兵力について調整するTRPGはよく見かけますが、無限財力も調整するTRPGは見かけません。

 ですから、GMとPLの勝負というものは、今のところ存在していないTRPGです。
 勝負ができるようにされたTRPGは、TRPGとは別物になります。

 ポーカーなどのメタゲームをTRPGの特殊なルールで処理する、これが回避策です。メタゲームがゲームらしさを失わないように処理するのが上策でしょう。

 おそらくTRPGにはメタゲームは成立しない構造があるのです。

 PLをやってみればわかりますが、耐久力や、HPが削れるのはかなり苦しいものです。所持金が削れることもです。GMにはそんな枷はありません。

 あくまでも、デザイン上のメモです。念のため。

 


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