TRPGはゲームにストーリーを展開させる力を持っている。様々なプロットに対応できる。その可能性を試行錯誤して見つけ出していくことは面白さの一つだと思う。 プロットには類型があり、その数はそんなに多くの数には分かれない。フリードマンによる分類。
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(1)運命プロット
(a)活劇プロット(一つの問題と一つの解決をめぐって組織化され、大衆文学に多いプロット。スティーヴンソンの『宝島』)
(b)哀愁プロット(魅力的だが弱い存在の主人公が失敗し、その不幸な結末が悲しみを誘うプロット。ハーディの『ダーバヴィル家のテス』)
(c)悲劇プロット(魅力的な主人公にその不幸の責任があり、感情浄化を受け手が経験できるプロット。ソポクレースの『オイディプス王』やシェイクスピアの『リア王』)
(d)応報プロット(反感を買って当然の、しかし賞賛に値するところもある主人公が主人公が失敗するプロット。シェイクスピアの『リチャード三世』やベン・トラヴァンの『シエラ・マドレ山の宝』
(e)感傷プロット(魅力的だが、弱かったりあるいは消極的だったりする主人公が最後に成功するプロット。ディケンズの『荒涼館』やユージン・オニールの『アンナ・クリスティ』
(f)賞賛プロット(魅力的な主人公にその成功の原因があり、その主人公が尊敬と賞賛を集めることになるプロット。マーク・トウェインの『トム・ソーヤの冒険』やトマス・ヘガンの『ミスター・ロバーツ』)。
(2)性格プロット
(a)成長プロット(魅力的だが素朴な主人公がやがて成長するプロット。ジョイスの『若き日の芸術家の肖像』、ディケンズの『大いなる遺産』、ヘンリー・ジェイムズの『ある婦人の肖像』)
(d)矯正プロット(魅力的な主人公が自分が原因で、不幸になるが、良い方向に変化するプロット。ホーソーンの『緋文字』)
(c)試練プロット(主人公が繰り返し失敗し、理想をあきらめるプロット。チェイホフの『かもめ』や『ワーニャ伯父さん』)
(d)堕落プロット(魅力的な主人公が、ある危機的状況を経て、さらに悪い方向に変化するプロット。ジッドの『背徳者』)。
(3)思想プロット
(a)教育プロット(魅力的な主人公の思考力が向上するが、それが行動面に反映しないプロット。マーク・トウェインの『ハックルベリ・フィンの冒険』)
(b)啓示プロット(主人公が自分の置かれた状態を認識するに至るプロット。ロウアール・ダールの『犬にご用心』)
(c)感情プロット(主人公の態度・感情は変化するが、その思想は変化しないプロット。オースティンの『高慢と偏見』)
(d)幻滅プロット(主人公が読者の同情を失うとともに自分の理想を失い、ついには絶望して終わる、あるいは死んで終るプロット。フィッツジェラルドの『偉大なるギャッツビー』、ジョーン・バースの『煙草仲買人』)。
Norman Friedman, Published in Journal of General Education, 8 (1955), 241-53.
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