ホイジンガ
ホモ・ルーデンス
まえがき――序説
第一章 文化現象としての遊戯の本質と意味
これまでの遊戯の定義は不十分である
文化因子としての遊戯
自立的な範疇としての遊戯
遊戯の形式的特徴
遊戯の規則
遊戯という特殊世界
闘争としての遊戯と表現としての遊戯
遊戯と祭祀
遊戯における神聖な真面目さというもの
祝祭の本質
信仰と遊戯
遊戯と密儀
第二章 遊戯概念の発想とその言語による表現
言語史および種々の言語のなかで<遊戯>概念がうけている異なった評価
ギリシア語における<遊戯>の表現
サンスクリット語における<遊戯>の表現
シナ語における<遊戯>の表現
アメリカ・インディアン語における<遊戯>の表現
日本語における<遊戯>の表現
セム語族における<遊戯>の表現
ロマン諸言語における<遊戯>の表現
ゲルマン諸言語における<遊戯>の表現
遊戯と闘争
音楽的意味における遊戯
エロス的な意味における遊戯
真面目という言葉、真面目という概念
第三章 文化を創造する機能としての遊戯と競技
遊戯としての文化――<遊戯変じて文化となる>ではないこと
遊戯の対立的性格
競技は遊戯である
勝つということ
賞・賭金・利得
古代社会の対立的構造
古代シナの季節の祭
他の国々における闘技的遊戯
賭けの祭儀的意味
ポトラッチ(Potlatch)
ポトラッチの社会学的基礎
クラ(Kula)
遊戯における名誉と徳
悪口合戦
文化因子としての闘技的原理
第四章 遊戯と法律
競技としての訴訟
神明裁判・籤占い
権利をめぐる競技
裁判と賭け
遊戯形式による裁判原理
第五章 遊戯と戦争
秩序を守った闘争は遊戯である
古代の戦争の競技性
決闘裁判
古代の戦争の祭儀性と闘技性
敵に対する礼節
儀式と戦術
闘技的原理の適用の限界
英雄の理想像
戦争の文化価値の過大な評価
第六章 遊戯と知識
競技と知識
哲学的思考の発生
謎解き競技は祭祀の一部である
古代ノルド文学の質問競技
社交遊戯としての謎問答
問答論
神学的・哲学的論議
謎解き遊戯と哲学
第七章 遊戯と詩
予言詩人
詩は遊戯の中に生まれた
愛の法廷
教訓詩
神話の詩的内容
文化の遊戯相としての神話
詩的形式は常に遊戯形式である
詩は競技の中に養われる
詩人の言葉は遊戯の言葉である
第八章 詩的形成の機能
形象化するということ
擬人化された抽象観念
一般的習慣としての擬人化
詩の諸要素は遊戯機能である
遊戯としての戯曲
第九章 哲学の種々の遊戯形式
ソフィスト
哲学的対話の起源
ソフィストと弁辞学派
論争
カール大帝の翰林院
十二世紀の学校の世界
学問の闘技的性格
第十章 芸術の種々の遊戯形式
音楽と遊戯
プラトーン、アリストテレースにおける音楽
音楽の評価
舞踊は純粋遊戯である
ミューズ的芸術、造形芸術と遊戯
芸術作品の祭儀性
造形芸術における競技の因子
第十一章 <遊戯ノ相ノモトニ>見た文化と時代の変遷
古代以後の諸文化における遊戯因子
ローマ文化における遊戯要素
公共精神とポトラッチ精神
中世文化の遊戯要素
ルネサンス文化の遊戯要素
バロックの遊戯内容
ロココの遊戯要素
ロマン主義の遊戯性
十九世紀における真面目の支配
第十二章 現代文化における遊戯要素
スポーツ
スポーツは遊戯領域から去ってゆく
スポーツとしての非体育的遊戯
現代職業生活における遊戯的なもの
現代芸術における遊戯的なもの
現代科学の遊戯内容
小児病
政治の遊戯内容
国際政治における遊戯的なもの
現代戦における競技因子
遊戯要素は不可欠であるということ
そして、カイヨワの言説の検証は、西村清和先生に引き継がれます。